障害年金の申請は「自分でできる?」結論と向いている人
障害年金の申請は専門性が高く、
「自分でできるの?」「社労士に頼むべき?」
と悩む人がとても多い手続きです。
結論からいうと、
障害年金の申請は8割の人が“自分で”行えます。
もちろん難しい部分はありますが、
必要なポイントを正しく押さえれば、
初めてでも自力で十分に申請できます。
ここではまず、
“自分で申請することは現実的なのか?”
という読者の最大の疑問に答えていきます。
結論:8割の人は自分で申請できる
障害年金の申請は複雑に見えますが、
実際には次のポイントを押さえれば自力で進められます。
- 初診日の証明
- 診断書の依頼と内容の確認
- 申立書の作成(病歴・生活の困難さを文章化)
- 必要書類の収集と提出
この4つがクリアできれば、
手続きは決して不可能ではありません。
特に最近は、
- 年金事務所の無料相談
- インターネットでの情報
- チェックリストやテンプレート
- ChatGPTのような文章整理ツール
があるため、
以前よりも申請のハードルは格段に下がっています。
実際に、初めての方でも
「正しいステップ」を踏んだだけで通ったケースは多く、
審査で重視されるのは 書類の中身=実態が伝わっているかどうか です。
自分で申請するメリット・デメリット
■ 自分で申請するメリット
① 費用がかからない
社労士に依頼すると、成功報酬で
「年金額の1〜2ヶ月分」「初回振込額の10%」
など、数万円〜十数万円かかることがあります。
自力なら完全に0円。
② 自分の状況を正確に整理できる
病歴・生活の困難を文章にする過程で、
自分の状態を客観的に把握できます。
これは診断書の精度向上にもつながります。
③ 手続きの流れを理解でき、更新もスムーズになる
障害年金は更新が必要なため、
一度自分で手続きを経験しておくと
今後の負担が格段に減ります。
■ 自分で申請するデメリット
① 書類作成(特に申立書)が難しいことがある
「どう書けばいいかわからない」
「文章にするのが苦手」という人は多いです。
ただし、ChatGPTなど文章整理ツールを使えば対応可能。
② 医師とのコミュニケーションに慣れていないと苦労しやすい
診断書は最重要書類なので、
主治医に適切に状況を伝えられないと
症状を軽く書かれてしまうリスクがあります。
③ 初診日の証明でつまずく人が多い
初診日は認定の根本。
ここを間違えると申請できません。
総合すると、
難しい部分はありつつも、
“正しいステップ”を理解していれば自力で十分対応できます。
自分で進めるのに向いている人・難しい人
■ 自分で申請するのに向いている人
- 文章を書くのが苦手ではない
- ChatGPTなどで文章整理ができる
- 通院歴をきちんと把握している
- 主治医とコミュニケーションが取れる
- 書類のチェックを丁寧にできる
- 年金事務所へ相談に行ける
障害年金の申請は“丁寧さ”があれば進みます。
スピードより正確さが大事。
■ 自分で進めるのが難しい人
次のいずれかに強く当てはまる場合、
社労士の併用を検討した方が安全です。
- 転院しすぎてどこが初診かわからない
- 医師に症状を伝えるのが苦手
- つい大丈夫です!と言って診断書の内容が軽く書かれがち
- 過去に不支給を経験している
- 病歴が10年以上続き文章化が大変
これらは不支給になりやすい典型的ケース。
■ 結論:迷ったら“自分で始めて、無理だと思ったら社労士に相談”が最強
最近は、
- 初診日の証明
- 申立書の添削
- 相談だけ社労士に依頼
- 診断書アドバイスだけ受ける
といった 部分利用 も増えています。
全部任せる必要はなく、
負担が大きいところだけプロに助けてもらうのが最も効率的。
申請に必要な3つの書類(診断書・申立書・初診日証明)
障害年金の申請では、次の3つが最重要書類となります。
① 診断書(医師が作成する)
障害の状態・生活能力を記した最重要書類です。内容次第で等級が大きく変わります。
② 病歴・就労状況等申立書(本人が作成する)
あなた自身が「どんな症状で、どれだけ生活が困難なのか」を文章で伝えるもの。日常生活・仕事・治療の経過を正確に書く必要があります。
③ 初診日を証明する書類(受診状況等証明書など)
いつどこで初めて医療機関を受診したかを証明するもの。これがないと申請そのものができません。
この3つが揃えば、申請の8割は完了したと言っても過言ではありません。
障害年金の申請を自分で行うための全体フロー
障害年金の申請を自分で進めるうえで、まず理解しておきたいのが全体の流れです。
手続きは複雑に見えますが、実際には「必要書類を揃える → 提出する」というシンプルな構造です。ただし書類の質が合否を決めるため、各ステップのポイントを押さえて進めることが重要です。
申請の流れをステップで解説(相談〜提出まで)
障害年金の申請フローは以下のように進みます。
- 年金事務所へ相談予約 制度の確認や必要書類の説明を受けます。
- 初診日の確定と証明の取得 最初に受診した病院へ問い合わせ、初診日証明を取ります。
- 診断書を主治医に依頼 症状が一番重い時期に合わせて作成してもらいます。
- 病歴・就労状況等申立書(本人作成)を仕上げる 症状の経過・生活の困難さを具体的に記述します。
- 必要書類(戸籍・住民票・提出書類一式)を揃える
- 年金事務所で書類の内容をチェックしてもらう
- 提出して審査へ(提出方法は窓口または郵送)
ここまで進めば、あとは審査結果を待つだけです。
提出後の審査期間とよくあるトラブル
書類を提出すると、審査は一般的に 3〜4ヶ月、長い場合で6〜8ヶ月 かかります。
審査期間中は、次のようなトラブルが発生することがあります。
● 書類の不備による“照会”が来る
内容の不足・矛盾があると、年金機構から追加質問が届くことがあります。
申立書と診断書の内容がずれていると発生しやすいです。
● 診断書の書き直しが必要になる場合がある
書類の整合性が大きく崩れている場合、医師に再度記載をお願いすることもあります。
● 審査が長期化する
病歴が長い、転院が多い、初診日が複雑などの場合、審査期間が延びることがあります。
困ったときは年金事務所に連絡すれば対応してくれます。
また、不安な人は社労士に部分的に相談してもOKです。
ステップ①:初診日の確定方法(最重要ポイント)
障害年金の申請で最もつまずきやすいポイントが「初診日の証明」です。
初診日を間違えると 申請そのものが不可 になったり、
本来より低い等級で判断される など大きな不利益につながります。
そのため、このステップを正確に進めることが最重要です。
初診日の決め方|病院の切り替えがある場合
初診日とは、
病気やケガで初めて医療機関を受診した日のこと。
ここで注意したいのは、
“その病気で初めて”受診した日であり、
診断名ではなく 症状の発生タイミング で決まるという点です。
● 病院を転々とした場合
例
- 2018年:内科で「不眠」で受診
- 2020年:心療内科で「うつ病」と診断
この場合の初診日は 2018年の内科受診日 です。
「病名がついたとき」ではありませんので間違えないようにしましょう。
● 他の病気として受診していた場合
当時は違う病名がついていても、
“現在の障害の原因になる症状” で受診していれば、それが初診日として扱われます。
初診日を証明する方法(受診状況等証明書)
初診日を証明する主な方法は次のとおりです。
● ① 受診状況等証明書
最初に受診した病院へ依頼し、医療機関に証明してもらう書類です。
必要な情報は、
- 受診日
- 症状
- 医療機関名
- 受診の経緯
これが取れれば初診日の証明はほぼ完了します。
● ② 診療録(カルテ)の写し
病院によってはカルテ開示で証明することも可能です。
● ③ 2番目以降の病院のカルテ
初診の病院がわからなくても、
2番目の病院に「紹介状」「経過」「症状記録」が残っていれば初診日の手掛かりになります。
カルテが廃棄されている場合の対処法(第三者証明など)
古い病院ではカルテが保存期間(5年)を超えて廃棄されていることがあります。
その場合は以下の方法で代替できます。
● ① 第三者証明
- 家族
- 職場の同僚
- 当時の知人
などが「この頃に病院に行っていた」と証明する書類です。
年金機構が認める正式な証明方法で、書式も用意されています。
● ② 通院歴の状況を書面で説明
- 受診した理由
- 医師から言われた内容
- 薬の記憶
- 期間・頻度 などを詳細に書くことで補強できます。
● ③ 医療機関の領収書・お薬手帳
残っていれば初診日の裏付けとして有効です。
● ④ 病院名を覚えていなくてもOK
地域や時期の記憶から、
「可能性のある医療機関」に照会してくれる場合があります。
初診日を確定できるかどうかで
障害年金の“通りやすさ”は大きく変わります。
不安な場合は、
年金事務所で一緒に整理してもらうか、
この部分だけ社労士に依頼するのも有効です。
ステップ②:診断書の準備と依頼のコツ
障害年金の審査で最も重視される書類が「診断書」です。
診断書の内容で等級が左右されるため、ここを正しく進めることが合否に直結します。
申請者本人が「医師へ何を伝えるか」で精度が大きく変わるので、準備は慎重に行いましょう。
診断書を依頼するベストタイミング
診断書は 症状がもっとも重い時期 に合わせて作成することが重要です。
依頼の目安は次のとおりです。
- 申請予定日の 2〜3ヶ月前
- 傷病手当金の場合は 終了の6〜8ヶ月前
- 症状が安定していて生活の困難さが明確な時期
診断書は1〜2ヶ月かかるため、
“ギリギリで依頼する”のは避けましょう。
医師へ伝えるべき「症状の実態」
医師はあなたの日常を見ていないため、
診察だけでは実態を把握できません。
そのため、次のポイントを具体的に伝えることが大切です。
- 朝起きられない/生活リズムが崩れている
- 家事ができない日が多い
- 外出が困難、買い物でパニックになる
- 仕事が続かない、集中が持たない
- 感情の波で自分を制御できない
- 人間関係・対話がつらい
- 症状が原因で生活が成立していない
さらに、診察前にメモにして渡すと、
医師側も診断書に反映しやすくなります。
診断書で重視される評価項目(精神・身体別)
障害年金の診断書には、等級判断のための評価項目が存在します。
● 精神(うつ病・発達障害・双極性など)
- 日常生活能力(着替え・食事・金銭管理・対人関係など)
- 集中力・持続力
- 意思疎通・社会性
- 就労の可否
- 症状の重症度と持続性
● 身体障害
- 動作の制限
- 視覚・聴覚・四肢の機能障害
- 内臓疾患の数値・検査結果
- 日常動作がどの程度自力で行えるか
審査官は 「生活にどれほど支障があるか」 に注目します。
診断書が軽く書かれないための注意点
精神障がいの場合、診断書が原因で不支給になるケースは非常に多いです。
防ぐために、以下の点を必ず意識しましょう。
① “良い日”ではなく“普段の状態”を伝える
調子の良い話ばかりすると軽く書かれます。
② できないことを曖昧にしない
「つらい」「しんどい」ではなく、行動基準で伝える。
③ 医師に状況を正直に伝える
無理に元気を装うと、診断書の評価が下がります。
④ 申立書のコピーを医師に渡す
診断書と申立書の整合性が取れ、評価が正確になります。
⑤ 作成費用をケチらない
診断書は手続きの最重要書類。
値段ではなく「内容が合否を決める」と考えて依頼しましょう。
ステップ③:病歴・就労状況等申立書の書き方
障害年金の申請において、診断書と同じくらい重要なのが「病歴・就労状況等申立書」です。
申立書は、あなた自身が “どんな症状で、どれだけ生活に支障があるか” を審査側へ伝える唯一の書類です。
診断書が「医師の視点」だとすれば、申立書は「あなたの生活の実態」。
この2つが一致しているほど審査で有利になります。
申立書の役割と審査で見られるポイント
審査官はあなたと直接会うわけではないため、
この申立書の内容が“生活能力の判断材料”になります。
特に次のポイントが重視されます。
- 症状がどれくらい日常に影響しているか
- 家事・仕事・対人関係がどの程度困難か
- 症状がいつから、どのように悪化していったか
- 通院・治療の経過が一貫しているか
- 診断書との整合性が取れているか
抽象的な表現では伝わらず、
具体的な行動レベルでの生活困難 を示すことが大切です。
時系列の整理方法(書き方の型)
まずは初診日から現在までの流れを“点”で書き出します。
以下の「型」に沿うと、誰でも書きやすくなります。
- 症状が出始めた時期ときっかけ
- 初めて医療機関を受診した理由(初診日)
- 症状の悪化・改善・再発の経過
- 仕事の支障(ミスが増えた/続けられなかった等)
- 日常生活の困難(家事・外出・睡眠など)
- 現在の状態と生活での支障
この“流れ”が明確になるほど、実態が伝わります。
良い例・悪い例で比較
✖ 悪い例
「しんどくて仕事ができない。家事もつらい。」
→ 抽象的で状況が伝わらず、審査に使えません。
◎ 良い例
「朝は布団から起き上がれないことが多く、食事の準備や着替えが1時間以上かかる。
買い物に行くと動悸がして、途中で帰ることが週に3〜4回ある。
集中力が続かず、簡単な作業でも10分ほどで手が止まる。」
→ 具体的な行動のレベルで書かれており、生活制限が明確。
審査官は “あなたがどのように過ごしているか” を文章から読み取っています。
仕事・家事・日常生活の制限をどう書くか
以下の観点で整理すると書きやすく、診断書との整合性も取れます。
- 食事:用意できない/食べられない/時間がかかる
- 入浴・身支度:シャワーが週1回/着替えが難しい
- 家事:掃除・洗濯ができない日が多い
- 対人関係:電話対応ができない/会話が辛い
- 外出:1人で出かけられない/パニックになる
- 仕事:集中できない/遅刻・欠勤が増え退職
- 金銭管理:支払い・計算ができない
- 睡眠:昼夜逆転/眠れない/過眠
これらは審査で特に重要視される項目です。
(重要)私はChatGPTを活用して書きました
私は、病歴の時系列や日常生活の困難を整理するためにChatGPTを活用しました。
うまく文章にできなかった部分も、ChatGPTに「症状を伝える文章を作りたい」と依頼することで、
客観的で整理された文章にまとめることができました。
そのメモを主治医に渡したところ、
「状況が非常に分かりやすい」と言われ、診断書作成にも役立ちました。
文章を書くのが苦手な人ほど、この方法は本当におすすめです。
文章量としてちょうど読みやすい分量で構成しています。
必要なら 書き方テンプレート も作れます!
ステップ④:必要書類の揃え方と申請の手順
障害年金の申請は「書類さえ揃えば8割完成」と言われます。
必要な書類は多く見えますが、ひとつずつ集めれば難しくありません。
ここでは、申請に必要な書類の一覧と、提出までの流れを具体的に解説します。
自分で揃える書類一覧
障害年金の申請で必ず必要になる書類は次のとおりです。
① 診断書(医師作成)
精神・身体で様式が異なるため、病状に合ったものを使用します。
申請の核となる書類で、内容が等級を左右します。
② 病歴・就労状況等申立書(本人作成)
あなたの生活状態・困難・経過を伝える最重要書類。
③ 初診日の証明(受診状況等証明書など)
最初に受診した医療機関で発行してもらいます。
これがないと申請自体ができません。
④ 本人確認書類(マイナンバー、身分証など)
窓口や郵送で必要。
⑤ 加入していた年金の情報(年金手帳、基礎年金番号)
番号がわかればOKです。
⑥ その他、必要に応じて添付書類
- 住民票
- 戸籍
- 所得証明書 など、状況によって求められることがあります。
年金事務所で「必要書類一覧」をもらえるため、
まずは相談して確認するのが最も確実です。
年金事務所でのチェックポイント
書類が揃ったら、必ず年金事務所で内容をチェックしてもらいましょう。
提出前の“無料チェック”は非常に重要です。
チェックしてもらうべきポイントは以下です。
- 初診日の証明が適切か
- 診断書の記載漏れ・誤記がないか
- 申立書と診断書の内容に矛盾がないか
- 書き方として不備がないか
- 追加提出が必要な書類がないか
- 提出方法(郵送・窓口)と注意点の確認
これらを事前に確認するだけで、
“書類不備で差し戻し”になるリスクが大幅に減ります。
郵送・窓口提出の違い(おすすめは?)
障害年金の提出方法は「窓口」か「郵送」の2つです。
それぞれの特徴は次のとおりです。
● 窓口提出(おすすめ)
- その場で職員が書類をチェックしてくれる
- 不備があればすぐ修正できる
- 受領印がもらえるため安心
初めての人は窓口提出が圧倒的に安全です。
私の場合、一緒に病歴を書きました。
● 郵送提出
- 体調が悪く外出できない場合に便利
- 郵送事故のリスクがある
- 不備があると照会(問い合わせ)が来るため手続きが長引く
どうしても外出できない時は、特定記録・簡易書留 の利用が推奨されます。
提出後にやるべきこと(記録・控え保管など)
書類を提出したら、審査結果を待つ期間に次のことを行いましょう。
① すべての書類のコピーを保管する
申立書・診断書・初診日の証明などは必ず控えを残してください。
今後の更新時にも役立ちます。
② 提出日・対応した職員名をメモしておく
問い合わせの際にスムーズに対応できます。
③ 審査中の生活状況メモを続ける
結果が出る前に照会が来ることがあり、
その時の証拠として使えるためです。
④ 体調が悪化した場合は医師に相談する
症状が重い期間に診断書が作り直される場合もあります。
障害年金の審査で重視されるポイント
障害年金の審査は「書類だけ」で行われます。
審査官と直接会うわけではないため、
書類の中に書かれた“生活の困難さ”がすべての判断材料 となります。
では、審査官はどの部分を重視しているのか?
この章では、その核心部分をわかりやすく説明します。
日常生活能力と労働能力の評価とは?
障害年金では、病名そのものよりも
「日常生活がどれだけ成り立っていないか」 が重要です。
精神・身体に関わらず、次の観点から能力を評価します。
- 身の回りのこと(着替え・食事・洗面など)が自力でできるか
- 毎日の家事(掃除・洗濯・買い物)が維持できているか
- 他人とのコミュニケーションや社会行動が可能か
- 外出ができるか、パニックや不安はあるか
- 集中力・判断力・持続力がどれくらい保てるか
- 労働がどの程度可能か(フルタイム・短時間・不可など)
審査官は、診断書と申立書に記載されたこれらの項目から
あなたの「生活能力の低下度」を読み取り、等級を決定 します。
診断書と申立書の整合性が重要
障害年金で最も多い不支給パターンが、
「診断書と申立書の内容が矛盾している」
というものです。
たとえば、
- 申立書では「家事がほぼできない」と書いている
- 診断書では「日常生活は自立」と評価されている
こうなると審査官は「どちらが正しいのか」判断できず、
結果的に“軽い評価”をされて不支給になりやすくなります。
このため、
- 申立書を作成したらコピーを主治医へ渡す
- 診断書を書いてもらう前に普段の症状を具体的に説明する
という “整合性の確保” が最重要になります。
通院状況・治療継続の重要性
審査の基本は 「治療を継続しているか」 です。
- 通院が2〜3ヶ月空く
- 途中で病院を自己判断でやめる
- 治療計画を守っていない
こうしたケースが続くと、
「治療の必要性が低い」と判断されて不利になります。
特に精神疾患は、
継続的な通院の記録がそのまま障害の重さの裏付け になります。
体調が悪くて行けない場合でも、
必ず病院に連絡し、診察を調整してもらいましょう。
働いていても通るケース/通らないケース
よくある誤解に
「働いていると障害年金には通らない」というものがあります。
結論としては、
働いていても通るケースが普通にあります。
ただし、重要なのは次の点です。
◎ 働いていても通るケース
- シフトが短時間に限定されている
- 配慮がないと勤務が維持できない
- 欠勤・遅刻が多い
- 仕事内容が極端に軽い
- 仕事以外の生活が成り立っていない
- 働き続けることで悪化している
働けていても「社会的治癒」ではなく、
生活全体が破綻している場合は等級に該当します。
✖ 働いていて通らないケース
- フルタイム勤務が普通にできている
- 周囲へ配慮不要で業務が問題なく遂行できている
- 家事・対人関係も自立している
- 症状が軽いと判断される内容が診断書に書かれている
障害年金は “病名” ではなく “生活能力の低下度” で判断されます。
そのため「働ける=不支給」ではありません。
自分で申請する際に注意すべき落とし穴
障害年金は自分で申請できますが、
いくつかのポイントを見落とすと 不支給になるリスクが急上昇 します。
ここでは、特にトラブルになりやすい“典型的な落とし穴”を解説します。
初診日が証明できず不支給になるケース
障害年金の申請で最も多い不支給理由が、
「初診日が証明できない」 というものです。
初診日が特定できなければ、
そもそも申請資格がありません。
よくある失敗パターンは次の通りです。
- 病院を転々として初診の病院がわからない
- 古い病院でカルテが廃棄されている
- “診断書を受けた日” を初診日と誤解している
- 違う病名で受診した日を初診日に含めていない
- 証明書を取る前に病院が閉院していた
初診日は 症状が出て初めて受診した日 であり、
病名確定日ではありません。
疑問がある場合は必ず年金事務所に相談し、
複数候補があれば一緒に整理してもらいましょう。
通院の中断で不利になるケース
障害年金では「治療の継続」が重視されます。
次のようなケースは不利に働きます。
- 数ヶ月以上、通院が途切れている
- 症状が重いのに自己判断で受診をやめた
- 医師の指示に従っていない記録が残っている
- 薬の服薬状況が不安定
特に精神疾患は、治療継続の記録が等級判断の根拠になります。
もし通院が困難な場合は、
必ず病院へ連絡し「通院できない理由」を伝えてください。
これだけで審査官の印象が大きく変わります。
診断書が軽く書かれてしまうケース
申請者本人は重い症状で苦しんでいても、
診断書が軽く書かれてしまうと不支給になる可能性が高くなります。
軽く書かれがちな典型例は次の通りです。
- 診察のときに「大丈夫です」と言ってしまう
- 良い日の状態だけを話す
- 医師が生活実態を把握していない
- 申立書と診断書の内容に矛盾がある
- 通院記録から生活困難が読み取れない
診断書を書いてもらう前に、
現在の生活状況をメモにまとめて医師に渡す のが効果的です。
あなたのように ChatGPT を使ってまとめる方法も、
医師にとって非常に理解しやすく、診断書の精度向上に役立ちます。
提出書類の矛盾による不支給例
審査官は「書類間の整合性」を最重要視します。
そのため、少しでも矛盾があると不支給の原因になります。
よくある矛盾の例は以下です。
- 申立書では「家事ができない」と書いているのに 診断書では「日常生活は自立」となっている
- 通院歴の記載が診断書と違う
- 退職理由が書類ごとに異なる
- 働けないと書きつつ、SNSで活動的な投稿がある
- 生活状況が急に改善したように見える
書類はすべて“ひとつの物語”として読まれるため、
ストーリーに矛盾が出ないよう丁寧に記入することが大切です。
不安な場合は、提出前に年金事務所でチェックしてもらうか、
この部分だけ社労士に確認してもらうのも有効です。
社労士に依頼すべきなのはどんな場合?
障害年金は自分で申請することも可能ですが、状況によっては
社労士(社会保険労務士)へ依頼したほうが確実に通りやすいケース があります。
ここでは、自分で進めるのが難しい人の特徴や、
社労士を活用するメリット・デメリット、費用の相場までまとめます。
自分で申請が難しい人の特徴
次のいずれかに当てはまる場合は、
社労士へ依頼した方が結果的にスムーズで、成功率も高くなります。
● 初診日があいまいで証明が取れない可能性がある
複数の病院を受診している、古い病院でカルテが残っていないなど。
● 診断書の記載が軽い/医師と相性が悪い
医師にうまく伝えられない・誤解されているなど。
● 病歴・申立書を整理できる自信がない
文章を書くことが苦手、時系列がごちゃついている人に多い。
● 審査で落ちた経験がある(再申請の場合)
不支給理由を読み解き、改善点を見抜けるのは専門家の強み。
● 体調が悪く、書類作成や役所対応がそもそも困難
特にうつ病・双極性障害・PTSDなどは申請作業そのものが大きな負担になる。
● 等級がギリギリで判断が分かれそうなケース
軽度〜中等度の症状は書類の質で結果が大きく変わる。
上記に当てはまる場合、
社労士を利用することで“通る可能性を最大化する”ことができます。
社労士を使うメリット・デメリット
◎ メリット
① 書類の完成度が大幅に上がる
診断書・申立書の書き方の指示が的確で、矛盾を防げます。
② 初診日の特定が非常に得意
受診歴をもとに資料を取り寄せ、最適な形にまとめてくれる。
③ 医師への説明の仕方もアドバイスしてくれる
診断書が軽く書かれないための“伝え方”を教えてくれる。
④ 不支給リスクを下げられる
書類の整合性を徹底的にチェックしてもらえる。
⑤ 体調が悪い人ほど負担が激減する
あなたは必要なことを話すだけでよく、社労士が文章化してくれる。
✖ デメリット
① 成功報酬がかかる
一般的に受給が決まった後に報酬を支払う方式。
② 依頼しても必ず通るわけではない
最終判断は審査側。書類の質が上がるだけで“確約”ではない。
③ 悪質な業者も一部存在する
強引な営業・高額請求など、質の低い社労士もいるため選び方は重要。
④ 自分で進めるより時間がかかるケースもある
書類のやり取りが増えるぶん、提出が遅れる場合も。
費用相場(成功報酬)と選び方
一般的な社労士の成功報酬は以下のような基準が多いです。
- 年金額の1〜2ヶ月分
- 初回振込額の10%前後
「着手金0円・事務手数料0円・成功報酬のみ」
の事務所も増えています。
良い社労士の選び方
① 精神疾患の実績が多いか
精神疾患は評価が難しいため実績が重要。
② LINEやメールで相談しやすいか
コミュニケーションのしやすさは非常に大事。
③ 初回相談で“あなたの生活を詳しく聞いてくれるか”
傾聴が丁寧な社労士ほど書類の質が高くなる。
④ 料金体系が明確であること
成功報酬の基準がはっきりしているかを確認。
⑤ 他の社労士と比較して違和感がないか
不信感が少しでもある場合は避けるべき。
障害年金の申請が通りやすくなる“成功のコツ”
障害年金は「運」ではなく、
書類の質と準備の丁寧さ で決まります。
ここでは、審査を有利に進めるために必ず押さえておくべき“成功のコツ”をまとめました。
生活状況の記録を残す
診断書・申立書の説得力を大きく左右するのが、
日常生活の困難さを示す客観的な記録 です。
記録するべき内容の例:
- 起きられない日が多い/家事ができない
- 食事が取れない、過食・拒食の波がある
- 不安・パニックで外出できない
- 作業の集中が続かない(数分で限界など)
- 通院できないほど体調が悪い日がある
- 仕事でミスが多く、続かない
これらは審査で
「生活能力が著しく低下している」証拠 になります。
メモアプリ、手帳、日記アプリ、Googleドキュメントなど、
負担にならない方法でOKです。
最終的に、申立書に落とし込める形で残しておきましょう。
医師とのコミュニケーションの取り方
診断書の内容は、等級を左右する最も重要な要素です。
そのため、診察の際の“伝え方”が非常に重要です。
コツは次の3つ:
① 良い日ではなく“普段の状態”を話す
「今日は大丈夫です」だけを伝えると軽く書かれます。
② できていないことを具体的に伝える
- 洗濯物が溜まる
- 入浴できない
- 朝起きられない など、生活の実態をそのまま説明する。
③ メモを渡して短くまとめる
私のように ChatGPT で整理したメモを渡すのは非常に効果的。
医師は短い文で“生活の困難”を理解でき、
診断書にも反映されやすくなります。
提出前に第三者に読み返してもらう
申立書と診断書に矛盾があると不支給になりやすいため、
提出前に必ず“第三者の目”で確認してもらいましょう。
確認してもらう相手は次のいずれかが理想的です:
- 年金事務所の職員
- 経験豊富な社労士
- 病気を理解している家族・支援者
特に年金事務所の「事前相談」は無料で利用でき、
不備があればその場で指摘してくれるため非常に有効です。
年金事務所の事前相談を必ず利用する
障害年金の書類は複雑で、
1カ所のミスで数ヶ月の差し戻しが起きる こともあります。
それを防ぐために必ず利用すべきなのが
年金事務所の事前相談(無料) です。
事前相談でチェックしてもらえる内容:
- 初診日の考え方が正しいか
- 診断書の内容が適切か
- 病歴・申立書の書き方に問題がないか
- 必要書類が揃っているか
- 記入漏れ・矛盾がないか
予約制のことが多いので、
提出前に必ず予約を入れておくとスムーズです。
【体験談】実際に自分で申請して通ったケース
ここからは、私(こんがり)が実際に 障害年金の申請を“自分で”行い、無事に通ったときの体験談 をまとめます。
同じように悩んでいる人の参考になればうれしいです。
申請にかかった期間と大変だったポイント
私が申請の準備を始めてから結果が決まるまで、
およそ4〜5ヶ月ほど かかりました。
特に大変だったポイントは次の3つです。
● ① 初診日の特定
私はいくつかの病院を転々としていたため、
「どこが本当の初診日なのか?」を整理する必要がありました。
受診した時期のお薬手帳を見返して、
年金事務所で一緒に確認してもらい、ようやく確定できました。
● ② 病歴・就労状況等申立書をまとめること
精神疾患の症状は波があり、
どの記録をどのように書けば良いのか分からず悩みました。
最終的に私は ChatGPTを使って病歴と症状をすべて文章化し、時系列で整理したメモを主治医に渡しました。
医師も「とても分かりやすい」と言ってくれて、診断書の内容にも反映されました。
● ③ 書類の量が多く、心が折れそうになる
診断書、初診日の証明、申立書…
1つずつは難しくないのですが、とにかく量が多い。
体調の悪い日もあったので、ゆっくり進めました。
審査中にやっておいて良かったこと
結果が来るまでの期間は不安でいっぱいでした。
その中でも「これは本当にやって良かった」と思った行動をまとめます。
● ① 生活状況の記録を取り続けた
日記アプリに、
・起きられたか
・家事はできたか
・食事はどうだったか
・精神的に落ち込んだ出来事
などを毎日書きました。
照会が来たときにスムーズに答えられたのは、この記録のおかげです。
● ② 主治医に経過をこまめに伝えた
「調子が悪い日」「できなかったこと」を短いメモにまとめ、
診察のときに渡していました。
診断書が軽く書かれず、
実際の生活状態に近い内容になったのはこのおかげだと思います。
● ③ 年金事務所で提出前にチェックしてもらった
私は窓口提出を選び、
担当者の方にすべての書類をチェックしてもらいました。
「ここはこう書いたほうが良い」
「この説明だと誤解される可能性がある」
など具体的なアドバイスをもらえて、不備ゼロで提出できました。
不支給→再申請で通ったケースの共通点
私は1回で通りましたが、
不支給→再申請で通った人たちの共通点も情報としてまとめておきます。
● ① 診断書の内容が改善された
最初の診断書が軽く書かれてしまっていたケースが多いです。
再申請では医師に生活の実態をより細かく伝え、
等級相当の内容が反映されて通ることがあります。
● ② 申立書の“ストーリーの整理”が不十分だった
不支給の多くは「矛盾」です。
・働けない理由
・生活の困難
・発症からの経過
これらが統一されている必要があります。
● ③ 初診日が正しく証明できた
最初の申請では初診日が弱かったケースも、
追加で証拠が取れたことで認められるパターンがあります。
● ④ 年金事務所・社労士に相談した
私は自力で申請しましたが、専門家のサポートが入ることで、
書類の質が大幅に改善され通りやすくなる傾向があります。
まとめ:自分で進めるために必要なこと
障害年金の申請は複雑に見えますが、
ひとつひとつ整理して進めれば 自分で行うことは十分可能 です。
この章では、すべての内容を振り返りながら、
自力申請を成功させるために大切なポイントをまとめます。
書類の完成度が合否を決める
障害年金は「面談」や「電話ヒアリング」はありません。
審査官が見るのは 提出された書類だけ です。
そのため、次の3つが「合否の核心」になります。
- 診断書
- 病歴・就労状況等申立書
- 初診日の証明(受診状況等証明書)
これらの書類が矛盾なく、
生活の困難さがきちんと反映されているかどうか。
これが最も重要です。
書類の質=等級に直結する
と言っても過言ではありません。
焦らず、正しく進めれば自分でも十分可能
多くの人がつまずくポイントは以下の4つです。
- 初診日の証明
- 診断書の内容(医師との意思疎通)
- 申立書の書き方
- 書類同士の整合性
しかし、ひとつひとつ丁寧に確認し、
年金事務所でチェックを受ければ、
専門家に依頼しなくても十分に通る可能性があります。
ChatGPTで病歴や症状を整理し、医師に渡すという方法は医師が診断書を正しく書きやすい環境を作るうえで大きなプラス です。
申請は“正しく進めれば”誰にでもできます。
不安な部分は社労士を併用して確実に進める
自力申請は可能ですが、
状況によっては社労士を活用したほうが結果的に早く、確実な場合もあります。
特に次のようなケースは要検討です。
- 初診日が取れない、あいまい
- 申立書をうまく書けない
- 診断書が軽く書かれそう
- 体調が悪く作業ができない
- 過去に不支給の経験がある
社労士をフルに依頼する必要はなく、
「書類の最終チェックだけお願いする」という使い方もできるそうです。
最後に:自分のペースで進めて大丈夫
障害年金の申請は、人生の中でも大きな一歩です。
不安になるのは当然ですが、
焦る必要はありません。
あなたはもうすでに、
・病歴の整理
・医師への正しい伝え方
・各書類のポイント
を理解し、準備できています。
一歩一歩で大丈夫。正しく進めれば、障害年金は“あなたの味方”になります。

