朝になると体が動かない。会社に行こうとすると涙が出る。
うつ・メンタル不調で「もう無理…」と感じながら働き続けている人は少なくありません。
しかし、実際に仕事を休むとなると、
「給料はどうなる?」「クビになる?」「どんな手続きが必要?」
など、不安が一気に押し寄せてきますよね。
結論として、うつで仕事を休むことは珍しいことではなく、会社も法律もあなたを守る仕組みを持っています。
休むことは甘えではなく「治療として必要な行動」です。
この記事では、
- 休職の仕組み
- 給料と傷病手当金
- 必要な手続き
- 会社に伝えるタイミング
- どれくらい休めるのか
- 復職までの流れ
を、初めての人でも迷わないように丁寧にまとめました。
今まさにしんどさを抱えているあなたが、
「休んでも大丈夫なんだ」と安心して一歩踏み出せるように、やさしく、現実的に解説していきます。
うつで仕事を休むのは“甘えではない”理由
うつやメンタル不調で休むことに強い罪悪感を抱く人は多く、
「みんな頑張っているのに」「自分だけ逃げている気がする」
と自分を責めてしまいがちです。
しかし結論から言うと、うつで仕事を休むことは甘えではなく、医学的にも必要な「治療行動」の一つです。
うつは“意志の弱さ”ではなく脳のエネルギー低下
うつ状態になると、脳の一部(前頭前野、扁桃体、海馬など)の働きが低下し、
次のような症状が起こります。
- 思考力や判断力が落ちる
- 体が重く動かない
- 感情のコントロールが難しくなる
- 極端に疲れやすくなる
これは「怠け」ではなく、脳の機能異常による“動けない状態” です。
風邪をひいたら体がだるくなるように、うつでは脳のエネルギーが不足しているため、
働く能力そのものが落ちてしまいます。
頑張り続けるほど悪化する病気だから
うつ病は“踏ん張るほど悪化する病気”と言われています。
メンタルに限らず、身体に不調があるときは休むのが当然ですよね。
- 気力でなんとか頑張る
- 無理して出社する
- 休むべきサインを無視する
これらを続けることで、回復が遅れたり、再起不能なほど状態が悪化することがあります。
医療現場でも「悪化を防ぐために休職が必要」 と診断されるケースは非常に多いです。
職場でも“休むのが自然”と考えられるようになってきている
今は会社側も、メンタル不調は特別なことではなく、
誰にでも起きる可能性がある“健康問題”として扱う傾向が強まっています。
- ストレスチェック制度
- 産業医面談
- メンタルヘルスの義務管理
- 企業の休職制度の整備
など、法律や就業規則のレベルで「休む選択」を支える仕組みが増えています。
早めに休むほうが回復が早く、復職もしやすい
多くの治療研究でわかっていることは、
早い段階で休む → 回復が早い → 復職しやすい
という流れです。
逆に、
無理して働く → 症状が悪化 → 長期休職 or 退職につながる
という負のルートに入ると、回復にも年単位の時間が必要になることがあります。
早めの休職は「逃げ」ではなく、
これ以上悪化させないための最善の判断 なのです。
自分を責める必要はまったくない
もしあなたが今、
「休んだら迷惑がかかる」「甘えているだけかも」
と感じているなら、それは“うつ特有の思考”であり、あなたの本質ではありません。
実際には、
- 休むことは治療
- メンタル不調は誰にでも起こる
- あなたを守る制度が整っている
- 無理せず休んだ方が回復が早い
これが現実です。
だから、安心して休んでいい。
あなたの体調と人生を守るために必要な一歩を踏み出して大丈夫です。
うつで仕事を休むと給料はどうなる?
仕事を休むときに最も不安を感じるのが「お金」。
特に、うつやメンタル不調で休むとなると、
「給料はゼロになる?」「生活はどうすれば…?」
と心配になるのは当然です。
結論を先に言うと、給料が出るかどうかは会社の規定によって異なりますが、多くの人は傷病手当金を活用して生活を維持できます。
ここでは「給料が出るケース」「出ないケース」「会社によって違う部分」をわかりやすく解説します。
給料が出るケース(会社の休職制度が手厚い場合)
企業によっては、休職中でも次のような制度が用意されていることがあります。
- 有給休暇の使用(通常の給与が出る)
- 病気休暇(有給扱い)
- 休職手当が支給される
特に大企業や公務員では、
「最初の○ヶ月は給与の○%を保証」といった手厚い制度が存在します。
ただし、これは会社の就業規則によるため、
まずは所属企業の 「休職制度」 を確認することが必要です。
給料が出ないケース(多くの会社はここ)
中小企業の場合、休職中は 無給 となることが一般的です。
とはいえ、ここで多くの人が誤解しています。
給料が出なくても、
会社員には「傷病手当金」という収入の代わりになる制度がある
ということです。
結論:収入の中心は「傷病手当金」になる
給料の代わりに生活を支えるのが 傷病手当金(健康保険が支給する手当)です。
傷病手当金は、ざっくり言うと
給料の約3分の2が1年6ヶ月もらえる制度。
会社を休むと給与はゼロになる人が多いですが、
実際にはこの制度のおかげで生活を維持できます。
給料と傷病手当金の関係を整理すると
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 給料 | 休職中は出ない会社が多い |
| 有給休暇 | 数日〜数週間分は給与が出る |
| 傷病手当金 | 給料が出ない期間の生活を支える“本命”制度 |
つまり、
最初のうちは有給 → その後は傷病手当金
という流れが一般的です。
「給料がゼロ=生活できない」は大きな誤解
うつで仕事を休むというだけで、
経済的な不安が一気に重なるのは当然です。
しかし実際には、
- 傷病手当金が1年6ヶ月支給
- 同時に退職しても継続して受け取れる
- うつの場合、ほとんどの方が対象に当てはまる
という仕組みがあり、
「休んだら生活が破綻する」は誤ったイメージです。
多くの人が制度を使いながら治療に専念できています。
傷病手当金とは?条件・金額・いつからもらえる?
うつやメンタル不調で休職した多くの人が生活を支えている制度が、傷病手当金です。
給料の代わりとして支給される非常に重要な制度で、会社員であればほぼ誰でも対象になります。
「会社を休んだら収入ゼロになる…」
という不安を大きく減らしてくれる制度なので、必ず理解しておきましょう。
傷病手当金とは?(まずは超シンプルに)
会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保)が支給する“生活サポート制度”で、
給料の約3分の2が最長1年6ヶ月もらえる
というもの。
休職している間の生活費を支える「収入の軸」と考えてOKです。
傷病手当金をもらうための4つの条件
受給するには以下の4つをすべて満たす必要があります。
① 病気やケガで働けない状態であること
うつ・メンタル不調は対象に含まれます。
医師が「労務不能」と判断すればOK。
② 会社を休んでいること
出勤していると対象になりません。
③ 給料が支払われていないこと
休職中で給与ゼロ → 対象
有給休暇 → 給与が出るため対象外
(ただし有給消化後は対象になる)
④ 健康保険に加入していること
会社員の人は「自動的に加入」しているので心配不要です。
傷病手当金はいくらもらえる?(計算は超簡単)
支給額は、ざっくり次のイメージ。
月給の約3分の2
具体的には「標準報酬日額 × 2/3」で計算されますが、
細かい計算は年金事務所や健保組合が行ってくれます。
例:月給24万円の場合
24万円 ÷ 30日 ≒ 8,000円
→ 1日あたりの支給額:約5,300円
→ 1ヶ月(30日)で 約15万9,000円
実際にはもう少し前後しますが、
「給料の6〜7割くらいもらえる」と覚えておけばOK。
いつからもらえる?(待期期間とは)
傷病手当金には 待期3日 というルールがあります。
- 最初の3日間は支給されない
- 4日目以降から支給される
- 連続して休んでいなくてもOK(医師の証明が必要)
どれくらいの期間もらえる?
最大 1年6ヶ月(=18ヶ月)。
うつやメンタル疾患の場合、この期間いっぱい使う人も多いです。
さらに重要なのは、
途中で退職しても受給は継続できること。
つまり、
「退職したら傷病手当金が止まる…」
というのは誤解です。
※条件はあるため、後ほど詳しく解説します。
アルバイト・パートでももらえる?
条件を満たしていれば可能です。
ただし、
- 社会保険(健康保険)に加入している
- 加入期間がある程度ある
- 給料が出ていない
などが必要になるため、フルタイムよりハードルは少し上がります。
障害年金との関係(併給できる?)
併給はNGです。
ただし、
- 傷病手当金 → 障害年金
という“切り替え”は可能です。
順番を間違えると損をするため、
後半の章で詳しく解説します。
休職するために必要な手続きと会社への伝え方
うつやメンタル不調で休む決断をした後、
「まず何をすればいいの?」「会社にどう伝えればいい?」
と混乱してしまうのは当然です。
休職までの流れは、実はとてもシンプル。
ここでは、今日から実践できるステップに分けてやさしく説明します。
まず最初にやるべきことは“病院に行く”こと
休職は 医師の診断書があって初めて正式に認められる ものです。
はじめにやることはたったひとつ:
心療内科・メンタルクリニックを受診し、今の状態を正確に伝えること。
医師が状態をみて、
- 「労務不能(働くのが難しい)」
- 「休職が必要」
と判断すれば、診断書を発行してもらえます。
診断書は会社に提出する“休職の根拠”
診断書には以下のような情報が記載されます。
- 病名・状態
- 労務不能の期間
- 休職が必要な理由
- 今後の見通し
これが休職の正式なスタートライン。
診断書なしに「メンタルがしんどいので休みます」は通りません。
会社へ伝えるベストタイミング
結論:
診断書が出る見込みが立ったタイミングで連絡するのが最もスムーズ。
ただし、つらすぎて受診すらできない場合は、
「体調不良のため休みたい」と先に連絡を入れても問題ありません。
総務・人事へ伝えるときの例文
メールでも電話でもOKです。
無理に長文を書く必要はありません。
例文(メール)
お疲れさまです。〇〇です。
体調不良が続いており、医療機関より休養が必要と診断されました。
診断書を取得次第、提出いたしますので、
当面の業務をお休みさせていただければ幸いです。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
例文(電話)
「体調を崩しており、医師から休養が必要と判断されています。
診断書が出次第提出しますので、しばらく休ませてください。」
これだけで十分です。
会社に言わなくていいこと/言ったほうがいいこと
言わなくていいこと
- 病名の詳細
- 具体的な症状のすべて
- 家庭の事情
- プライベートの内容
会社はあなたの治療内容に立ち入る権利はありません。
言ったほうがいいこと
- 休む理由が“体調不良であること”
- 診断書を提出する予定
- いつ頃連絡できそうか
- 緊急連絡の取り方(必要なら)
言うべきことと守るべきプライバシーはしっかり分けてOKです。
休職の手続きは実はとてもシンプル
会社によって細かい違いはありますが、流れはほぼ共通です。
【休職までの基本ステップ】
- 心療内科を受診する
- 診断書をもらう
- 会社に連絡する
- 診断書を提出する
- 総務・人事が休職手続きを進める
- あなたは治療に専念する
あなたがやることは「受診 → 診断書 → 提出」の3つだけ。
思っているより負担は少なく、制度としてしっかり整っています。
休職は“会社への迷惑”ではなく“法的に守られた権利”
日本の労働法では、メンタル不調などの病気・障害を理由に
簡単に解雇することは許されていません。
つまり、
- 休むこと
- 回復に専念すること
- 治療を優先すること
はすべて、労働者が持つ当然の権利なのです。
罪悪感や遠慮は必要ありません。
うつでどれくらい休める?休職期間の上限と延長
「どれくらい休めるのか」は、誰もが真っ先に気になるポイントです。
結論として、休職期間の長さは会社ごとの就業規則で決まるため一律ではありません。
ただし、一般的な目安や、延長できるケース、気をつけるべきポイントは共通しています。
ここでは、会社の規定・法律・実際の運用をバランスよくまとめて解説します。
休職期間は「就業規則」で決まる(よくあるパターン)
多くの会社では、次のようなパターンが多いです。
- 半年(6ヶ月)
- 1年(12ヶ月)
- 1年6ヶ月(18ヶ月)
- 3年(大企業で多い)
特に中小企業の場合は 6ヶ月〜1年程度 が一般的。
一方、大企業・公務員では
- 最初の半年 → 休職扱い
- その後は延長(最大3年)
というケースもあります。
休職期間と傷病手当金の期間は「別物」
多くの人が混同してしまいますが…
休職期間(会社の制度)
と
傷病手当金の支給期間(健康保険の制度)
はまったく別の仕組みです。
例:休職6ヶ月の会社の場合
- 休職は6ヶ月で終了
- でも傷病手当金は 最大1年6ヶ月 もらえる
→ 休職満了後に退職しても受給は継続できる
つまり、
休職期間よりも、収入の面では傷病手当金の期間の方が大事
というのがポイントです。
休職期間の延長ができるケース
会社によって延長ルールは異なりますが、一般的には次の2つ。
① 医師が「まだ復職は難しい」と判断する場合
主治医の診断書に
- 「療養継続が必要」
- 「復職は困難」
と書かれていると延長されやすいです。
② 会社の規定に「延長制度」がある場合
就業規則で
- 6ヶ月+6ヶ月
- 1年+半年
など、段階的に期間を設けている会社は多いです。
休職期間が満了するとどうなる?
休職期間が終わったタイミングで、以下のどれかになります。
- 復職(時短・限定業務で戻ることも可能)
- 休職延長(規定がある場合)
- 退職扱い(自然退職)
特に注意すべきは 規定に延長がなく、復職も難しい場合、
自動的に「自然退職」扱いになるケースがあること。
ただし、この後も 傷病手当金は継続してもらえる ため、
生活がいきなり途切れるわけではありません。
ここは非常に重要なので、実際には多くの人が
「休職満了 → 退職 → 傷病手当金は継続受給」
という流れを取っています。
無理に復職させられない?会社ができること・できないこと
法律上、会社は労働者に対して…
- 病気が治っていないのに復職を強制する
- 不当に短い休職期間で解雇する
- 理由なく復職を拒否する
といった対応はできません。
「主治医の意見」と「産業医の判断」が最も重視されるからです。
うつの休職は“長くなることが普通”と考えていい
メンタル不調の回復には個人差が大きいですが、
一般的に 3ヶ月以内で完全復職できる人は少数派 です。
多くの人が…
- 3〜6ヶ月:症状の安定
- 6〜12ヶ月:生活リズムの回復
- 12〜18ヶ月:仕事への復帰判断
という経過をたどります。
決して「自分だけ治りが遅い」「ダメな人間」ではありません。
休職中にやってはいけないこと・やるべきこと
休職は「ただ休む期間」ではなく、治療に専念して回復へ向かう時間です。
しかし、初めての休職では「何をしていいのか」「何をしたらダメなのか」がわからず不安になるもの。
ここでは、休職中によくある誤解を解消しながら、回復のために必要な行動をまとめます。
休職中にやってはいけないこと
1. SNS・ネット依存で生活リズムを崩す
SNSは心が弱っている時ほど刺激になりやすく、
比較・罪悪感・焦りにつながりやすいツールです。
- 寝る時間が遅くなる
- 情報に疲れる
- 他人の生活と比較して落ち込む
このように、悪循環になる人がとても多いため、使用制限をつけるのが安全です。
2. 過度な外出や旅行で“元気に見える行動”をする
気分転換は良いですが、以下の行動は控えるべきです。
- 遠方への旅行
- アクティブすぎる趣味
- 連日の外出
会社に「本当に働けないの?」と疑問を持たれたり、
傷病手当金の審査に不利に働くこともあります。
3. 勧誘・副業・投資などの“判断が必要な行為”
休職中は判断力・注意力が大きく低下します。
- 高額の買い物
- 投資
- ネットワークビジネス
- 副業で稼ごうとする
これらは失敗リスクが高く、症状の悪化やトラブルに繋がりやすいのでNG。
4. 「治ってきた気がするから」と薬を勝手にやめる
これは最も危険な行動のひとつ。
薬を勝手に中断すると 症状が悪化し、再発率も高まります。
調子が良くても、必ず主治医の指示に従いましょう。
5. 家族との衝突や自分責めを繰り返す
休職初期ほど、気力・思考力が低下し、些細なことで落ち込みやすくなります。
- 自分を責める
- 家族に当たられる
- 助けを求められない
この状態が続くと、症状が深刻化してしまいます。
休職中に“やるべきこと”
1. 生活リズムをゆっくり整える
いきなり完璧にする必要はありません。
段階的に戻していけばOK。
- 同じ時間に起きる
- 朝に日光を浴びる
- 夜はスマホを早めにやめる
これだけで体内時計が整い、不安・抑うつが軽くなりやすいことが研究でわかっています。
2. 病状を記録する(メモだけでOK)
回復状況を“見える化”することで、主治医に状態を伝えやすくなり、
診断書も正確に書かれやすくなります。
- 今日できたこと
- 休んだ理由
- 不調の時間帯
- 睡眠
- 気分の波
これらを軽くメモしておくだけで十分。
3. 無理のない範囲での軽い運動
うつの治療において、軽い運動は効果が高いことが知られています。
- 散歩
- ストレッチ
- 深呼吸
- 軽い筋トレ
「疲れる前にやめる」のがポイント。
4. 栄養と睡眠の確保
特に以下はメンタル改善に効果があるとされています。
- タンパク質
- ビタミンB群
- オメガ3脂肪酸
- 良質な睡眠
寝不足とうつは密接に関係しているため、
“寝るための環境づくり”を優先してOK。
5. ゆっくり「心の安全基地」を作る
休職をきっかけに、
- プレッシャーから解放される
- 自分のペースで過ごせる
- 家にいても安心できる
環境を作ることが大切。
これは専門的に「安全基地形成」といい、
メンタル改善には欠かせないプロセスです。
休職中の過ごし方で復職の成功率が変わる
無理をしない・焦らない・治療に専念する。
これが休職期間の本質です。
“できる日”と“できない日”に差が出るのは当然のこと。
少しずつ、ゆっくり、回復していけばいい。
あなたの回復が最優先です。
復職の流れと“復職可”の判断基準
休職期間が続くと、
「いつ復帰できる?」「どんな状態になったら復職できるの?」
という不安が出てきます。
復職は“感覚”ではなく、
会社・主治医・産業医の三者で判断されるプロセス があります。
焦る必要はありません。
順序どおり進めれば、自然に復帰のタイミングが整っていきます。
復職の判断で最も重視されるのは「主治医の意見」
復職の入り口は、主治医が出す 「復職可の診断書」 です。
主治医が見るポイントは次のとおり。
- 出勤時間に起きられるか
- 毎日ある程度決まった行動ができるか
- 仕事内容に耐えられるだけの集中力が戻っているか
- 気分の波が大きすぎないか
- 通院・服薬を継続できているか
この段階で1つでも不安があれば、
主治医は復職許可を出さず、療養継続となります。
次に重要なのが「産業医面談」
主治医が復職可を出しても、
最終判断は 産業医+会社 が行います。
復職面談では以下が確認されます:
- 職場のストレス要因に耐えられそうか
- 業務内容と症状が合っているか
- 配慮が必要な事項の有無
- 時短勤務が必要かどうか
- 環境を整えれば働けるか
産業医は会社側の視点で
“現場で実際に働けるかどうか” を判断する役割です。
復職までの流れ(わかりやすいステップ)
復職プロセスは次のとおりです。
STEP1:症状が安定してくる
生活リズムが整い、日常的な行動が少しずつ可能になる。
STEP2:主治医が「復職を検討していい」と判断
診察の中で医師が回復具合を確認。
STEP3:復職可の診断書を発行
「就労可能」「軽作業のみ」「配慮があれば可」など詳細が書かれる。
STEP4:会社へ提出→産業医面談
この面談が事実上の“最終チェック”。
STEP5:会社と復帰条件を調整
時短勤務・週数回勤務・業務制限など個別に設定。
STEP6:試験的な復職(リハビリ勤務)
短時間勤務で徐々に戻るケースが一般的。
STEP7:本格復職
状態が安定し、通常勤務に移行。
復職可の判断基準(具体的にわかるリスト)
以下の項目の多くが満たされていれば「復職可」の判断が出やすくなります。生活リズム
- 毎日ほぼ同じ時間に起床できる
- 午前中から行動できる日が増えている
身体・精神状態
- パニック・不安発作が減っている
- 倦怠感や集中力低下が軽減
- 思考が整理しやすくなっている
仕事に関連する能力
- 数時間程度の作業が可能
- 簡単な事務作業や集中が維持できる
- 人とのやり取りで強いストレスが出なくなっている
通勤・外出
- 通勤に近い負荷の外出ができる
- 電車・車での移動が問題ない
薬・治療
- 服薬を自己判断で中断しない
- 副作用が安定している
完璧な状態でなくても大丈夫。
「働きながら治療できる見込み」があるかどうか が判断のポイントです。
いきなりフルタイム勤務に戻る必要はない
多くの復職は、いきなり以前と同じ働き方には戻りません。
- 時短勤務(4〜6時間)
- 業務量の軽減
- 配慮のある業務配置
- 頻度を減らした勤務日数
これらは法律でも推奨されており、
会社は従業員を守るために柔軟な調整が求められています。
復職が不安な場合はどうしたらいい?
不安があるのは自然なことです。
次の章では、復職が難しい場合の選択肢として、
- 退職はいつが最適?
- 傷病手当金は継続できる?
- 転職はどう進めればいい?
- 障害者雇用という働き方
について詳しく解説します。
復職が不安な場合の選択肢(退職・転職・制度利用)
休職で症状が回復してきても、
「本当に戻れるのかな…」
「またつらくなるのが怖い」
と感じる人はとても多いです。
復職はゴールではなく、ひとつの選択肢にすぎません。
働き方には他にも道があり、無理に元の環境に戻る必要はありません。
ここでは、復職以外の選択肢を安心して検討できるように
“現実的かつ制度的に可能な道” を整理してお伝えします。
退職しても傷病手当金は継続できる(重要ポイント)
多くの人が誤解していますが…
退職しても傷病手当金は1年6ヶ月の満期間まで受け取れます。
条件は以下の通り:
- 退職日の時点で「労務不能(働けない状態)」である
- 退職日の前日に健康保険に加入していた
- 継続して療養している
この3つを満たしていれば、退職後も手当は継続します。
つまり、
- 復職できるか不安
- 会社に戻りたくない
- 心がゆっくり休める環境がほしい
こんな場合でも、生活基盤を保ちながら療養を続けられます。
無理に復職しないほうがいいケース
以下に当てはまる場合は、
復職より「環境のリセット」を優先したほうが回復しやすい と言われています。
- 職場の人間関係が原因で強いストレスがあった
- 仕事内容がどうしても体質に合わない
- 再発が何度も起きている
- 主治医が引き続き療養をすすめている
- 復職のことを考えるだけで動悸・吐き気が出る
- 対人ストレスが強く、職場の刺激に耐えられない
環境要因が大きい場合、
「同じ環境に戻らない」という選択がもっとも回復を早めることがあります。
退職を選ぶ場合のポイント(タイミングが大事)
退職するときは、以下の順番を守ると安全です。
① 傷病手当金の受給条件を満たしているか確認
→ 特に「労務不能」の証明(診断書)が重要。
② 退職日を慎重に設定
→ 退職日は 有給消化で調整 することもできる。
③ 健康保険の切り替え手続き
→ 任意継続保険 or 国保のどちらがお得か比較する。
④ 離職票を受け取り、失業手当を確認
→ うつ状態の場合、「就労不能期間の延長(最大3年)」が使える。
退職は慎重に決める必要がありますが、
生活が途切れる心配はない と理解しておけば大丈夫です。
転職する場合(焦らなくてOK)
症状が安定してからの転職活動は、
「復職より負担が少ない」ケースもあります。
特にうつからの回復段階では、
次のような職場が向いています。
- 業務量が一定
- 人間関係の圧が少ない
- 休みが取りやすい
- マニュアルが整っている
- 在宅勤務が可能
- 無理のないペースで働ける企業文化
大手から中小へ、オフィスワークから軽作業へ、
など働き方を変えると一気に生きやすくなる例も多いです。
障害者雇用という働き方も選択肢になる
うつ病やメンタル疾患は、
障害者雇用枠での就職が可能な対象 です。
メリットは以下の通り:
- 体調に合わせた勤務ができる
- 業務負担が低め
- 長く続けやすい
- 配慮のある人間関係
- 通院と両立しやすい
「普通の働き方に戻るのが怖い」という人に向いた選択肢です。
就労移行支援(無料で使える職業訓練)
就労移行支援とは、
メンタル不調や障害を抱える人のための “働くリハビリ施設” です。
サービス内容:
- 生活リズムの調整
- PCスキルの習得
- コミュニケーションの練習
- 面接対策
- 職場実習
- 定着支援(就職後半年〜1年のサポート)
料金は 9割以上の人が無料(自己負担ゼロ) で利用できます。
「少しずつ社会に戻りたい」「リハビリ勤務の前に慣らしたい」
という人に最適です。
復職以外にも道はある。あなたに合った選択でOK
- 退職しても傷病手当金は継続
- 焦らず転職を選んでもOK
- 障害者雇用という安心の働き方もある
- 無料で使える就労移行支援もある
働き方は一つではありません。
うつで休んだあと、
前と同じ働き方に戻らなくてもいい。
あなたが安心して生きられる環境を選べば、それが“正解”です。
【体験談】うつで休職した人が語る“休んで良かったこと”
休職を決めるとき、多くの人は恐怖や罪悪感でいっぱいになります。
「本当に休んでいいのかな」
「戻れなくなったらどうしよう」
「周りに迷惑をかけてしまう」
こうした気持ちは誰にでも起こります。
でも、実際に休職した人の多くは “休んでよかった” と後になって心から感じています。
ここでは、よく聞かれる “休んで良かった理由” を経験談ベースでまとめました。
心と体がようやく回復する時間を確保できた
仕事を続けている間は、自分では気づかないほど心も体も消耗しています。
休職した人が共通して話すのは、
「休んで初めて、自分がどれだけ疲れていたかに気づいた」
ということ。
- 寝ても疲れが取れなかった
- 朝から動悸・胃の痛みがあった
- 仕事のことを考えるだけで涙が出た
こうした症状が、数週間〜数ヶ月かけてゆっくり落ち着いていきます。
仕事を止めて、ようやく呼吸ができるようになる。
それが休職のもっとも大きな効果です。
「自分を責め続ける癖」からいったん離れられる
メンタル不調の人の多くが
- もっと頑張らなきゃ
- 周りに迷惑をかける
- 自分だけ弱い
と 自責のループ に入り込んでいます。
休職によって物理的に仕事から距離を取ることで、
ストレスの源から自分を切り離すことができます。
結果として、
- 責める気持ちが少しずつ弱まる
- 自分のペースで動ける感覚が戻る
- 他人と比べる癖が減る
という心理的な回復が進みます。
休むことは「逃げ」ではありません。
むしろ、再び立ち上がるための本来必要なステップです。
家族・友人との関係が落ち着き、生活が整う
仕事に追われているときは、
家のこと、身の回りのこと、人との関係が全部後回しになりがちです。
休職した人はよくこう言います:
- 生活リズムが整った
- 料理・掃除・洗濯ができるようになった
- 家族と穏やかに話せる時間が増えた
- 趣味が少しずつ戻ってきた
心身が安定すると、人間関係や生活そのものも安定していきます。
自分の限界を知り、今後の働き方を見直すきっかけになった
休職をきっかけに、
「この働き方は自分には合っていなかった」
と気づく人がとても多いです。
- 業務量が多すぎた
- 人間関係が合わなかった
- 完璧主義を求められる環境だった
- 働くペースと体力が合っていなかった
休んだことで、はじめて冷静に職場環境を分析できるようになります。
その結果、
- 時短復職
- 他部署への異動
- 転職
- 障害者雇用
- フリーランス・副業中心の生活
など、自分に合った生き方を選べるようになります。
休職は「終わり」ではなく、本当の意味での再スタート
休職した当初は、
「終わった…」
「人生が崩れた」
と思う人がほとんどです。
でも、多くの人が経験しているのはむしろ逆で、
休職が人生の“立て直しのきっかけ”になる
ということ。
- 心が強くなった
- 自分に優しくできるようになった
- 働き方の幅が広がった
- 同じ悩みの人に寄り添えるようになった
こうした変化を実感して、
「休んで良かった」と振り返る人が本当に多いのです。
あなたの休職も、きっと“再スタート”のための準備期間になります。
まとめ:休職は「終わり」ではなく、あなたを守るための大事な選択
うつで休職することは、決して弱さでも逃げでもありません。
深く傷ついた心と体を守り、「これからどう生きるか」を考えるための大切な時間です。
この記事でお伝えした通り、休職には次のようなメリットがあります。
- 心と体をしっかり休められる
- 自分を責め続けるループから抜け出せる
- 生活や人間関係が落ち着く
- 働き方や環境を見直すきっかけになる
- 将来の選択肢(復職・転職・制度利用)が広がる
今のあなたが感じている不安や罪悪感は、ごく自然なものです。
でも、休職を経験した多くの人が後になって
「休んで良かった」「あの時間がなかったらもっと苦しかった」
と振り返ります。
あなたの人生は、いま立ち止まったからといって終わりません。
むしろここから、これまでとは違うペース・違う生き方を選べるようになります。
ひとつずつで大丈夫です。
焦らなくて大丈夫です。
あなたのペースで、ゆるやかに回復していきましょう。
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