うつ病・適応障害・発達障害・PTSDなど、精神疾患で働けない期間が続くとき、
生活を支えてくれる大事な制度が 「障害年金」 です。
私自身も、数年間のメンタル不調と長期休職を経て 障害厚生年金3級 が認定されました。
手続きは複雑で不安が大きかったため、この記事では “初めてでも迷わず理解できる” ように超わかりやすくまとめています。
① 障害年金とは?まずは全体像を知る
障害年金とは、病気やケガで 日常生活や仕事に支障が出ている人 に支払われる公的年金です。
✔ 対象になる病気(精神障害の例)
- うつ病
- 双極性障害
- 適応障害
- PTSD
- 発達障害(ADHD・ASD)
- 統合失調症
- パニック障害など
精神疾患での受給者は年々増えており、
「働けないレベルのしんどさ」が長く続く場合、申請する価値は十分あります。
② 障害基礎年金と障害厚生年金の違い
障害年金には2種類あります。
✔ 障害基礎年金(全員が対象)
- 国民年金(自営業・学生・専業主婦など)
- 等級は 1級・2級のみ
- 金額は全国共通の定額
✔ 障害厚生年金(会社員が対象)
- 厚生年金加入者(会社員)が受けられる
- 等級は 1級・2級・3級
- 3級があるのは厚生年金だけ
- 収入に応じて金額が変わる
🔎 私のケース
- 初診日:厚生年金加入中 → 障害厚生年金3級 に認定(事後重症)
- 遡及期間:令和5年9月〜令和7年8月(24カ月)
- 審査結果:障害等級3級(事後重症)
③ 精神疾患の認定基準は「診断名じゃなく生活能力」
精神疾患では 診断名より生活の困難度が重視 されます。
国のガイドラインでは次の6項目を評価します。
① 身の回りのこと
② コミュニケーション
③ 集中力・持続力
④ 作業能力
⑤ 社会性
⑥ 生活リズム・日常生活
認定難易度の目安
| 等級 | 日常生活・働く力 |
|---|---|
| 1級 | ほぼ常時介助が必要 |
| 2級 | 日常生活が著しく難しい。働けない |
| 3級 | 仕事に著しい制限。短時間の就労でも困難 |
3級は「働いていても」通るの?
→ 通ります。
“働いている=不支給” ではありません。
・時短勤務
・配慮のある業務
・症状により休みが多い
など「著しい制限」が認められれば3級の可能性は高いです。
④ 初診日の考え方(超重要)
初診日がどこになるかで、もらえる年金の種類が決まる ほど重要。
✔ 初診日=初めてその病気のために医療機関を受診した日
例
- 3年前に内科で「不眠」で受診 → 初診日
- 半年前に心療内科で「うつ病」と診断 → これは初診日ではない
🔎 私の初診日
令和4年3月9日(内科で睡眠薬を処方)
→ この時点で厚生年金加入中
→ 障害厚生年金の対象になった
⑤ 障害認定日と事後重症
申請タイミングは2種類あります。
✔ 障害認定日請求(認定日から1年6か月後)
その時点で重症なら遡及できる。
✔ 事後重症請求(現在の状態で申請)
多くの人がこれ。
私も 事後重症 で認定されました。
⑥ 申請に必要な書類(完全チェックリスト)
✔ 必須書類
- 年金請求書
- 診断書(精神の障害用・1200項目形式)
- 受診状況等証明書(初診日の証明)
- 住民票
- 本人確認書類
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
✔ 場合により必要
- 就労状況申立書
- 病歴・就労状況申立書(経歴の全期間を書く)
- 収入・勤務状況の資料
私のクリニック
- 診断書作成費:20,000円
- 作成期間:1〜2ヶ月(平均的)
⑦ 申請の流れ(時系列でわかる)
① 相談(市役所 or 年金事務所)
まず状況を伝えて必要書類を案内してもらう。
② 初診日の証明を取る
1番重要。
病院が閉院していても方法はあるので諦めない。
③ 主治医に診断書を依頼
症状・生活の困難を丁寧に伝える。
④ 病歴・就労状況申立書を書く
「盛る」のではなく、実態を正しく書くのが大事。
⑤ 提出 → 審査
審査期間は 3〜6ヶ月 が一般的。
⑥ 結果通知 → 初回振込
初回は大きく振り込まれることが多い(遡及がある場合)。
⑧ 社労士に依頼するメリット
私は自力申請しましたが、精神疾患での申請は難易度が高く、
社労士を使うだけで通過率が跳ね上がる と言われています。
✔ メリット
- 書類の整合性チェック
- 初診日の特定
- 申立書の改善
- 不支給後の不服申立も対応
✔ 費用(一般的)
- 着手金:無料の事務所も多い
- 成功報酬:
- 年金額1.8か月分 or 初回振込の10%
⑨ よくある却下理由(防止策もセット)
✕ 初診日が証明できない
→ 病院が閉院していても、カルテ保管先や別書類で証明可能。
✕ 病歴・就労状況申立書が「元気な時だけ書いてしまう」
→ しんどい日の状態を中心に書くこと。
✕ 診断書と申立書の内容が矛盾
→ “医師の診断が最優先”
→ 社労士に整合性チェックを依頼すると安心。
✕ 働いているから無理と思い込み
→ 短時間・配慮付き・休みが多い などの状況はむしろ重要な証拠。
⑩ 【実体験】おいもが3級に認定されるまで
私は10年以上うつ傾向がありながら、
“頑張ることでなんとかやってきたタイプ” でした。
でも、
・仕事が続かない
・強い不安
・嘔吐
・涙が止まらない
・過去のトラウマ
・手の震え
などの症状で 完全に働けなくなり、休職へ。
✔ 診断書作成
転院先のクリニックで依頼(2万円)。
✔ 書類作成
主治医に提出する用に書類をまとめました。
- 病歴の長さ
- 毎日の生活のしんどさ
- 働けなかった理由 を丁寧にまとめた。
✔ 結果
障害厚生年金3級(事後重症)に正式認定。
遡及は令和5年9月から24ヶ月分。
金銭面の安心だけでなく
「もう無理しなくていい」と心が軽くなりました。
⑪ まとめ:不安な人こそ早めに動いてOK
障害年金は
✔ 働けないほどしんどい
✔ 生活が成り立たない
✔ うつが深刻
✔ 社会生活が難しい
そんな人のための “生活を守る制度” です。
私も申請するまでは不安でいっぱいでしたが、
動いてみたら 「もっと早く知りたかった…」 と心から思いました。
あなたが今つらいなら、
まずは年金事務所や社労士に相談するところから始めて大丈夫です。

