うつ病をどう家族に伝える?実際に私が話した言葉とその反応

この記事はnoteの再掲です。

「うつ病と診断されたことを、家族にどう伝えればいいか分からない」
そんな悩みを抱えたまま、私はしばらく黙っていました。

否定されたらどうしよう。
甘えてると思われたら?

それでも、誰にも言わずにいることが、だんだんとつらくなってきて……。

この記事では、うつ病と診断された私が、
どんなふうに家族へ伝えたのか、何を感じたのかを正直に書いています。

同じように悩んでいる誰かが、
「伝えるかどうか」を自分のペースで考えるきっかけになりますように。

誰にも言えなかった「うつ病」という言葉

「うつ病って診断されました」と、家族に伝えるのが怖かった。
それは、診断されたことそのものよりも、ずっと重たい不安でした。

「甘えてるって思われるかもしれない」
「ちゃんと働けないことを責められるかもしれない」
「そもそも“病気”だと信じてもらえないかもしれない」

そう考えると、喉が詰まって、言葉にならなかった。

私の家族は、病気やメンタルのことに理解があるほうではありませんでした。
どちらかというと「気合いでなんとかしなさい」とか「しんどいのはみんな同じ」といった考え方が強かった。
母の同級生もうつ病でその人が自死したときも責めていた。

だからこそ、「うつ病」という診断をどう受け取られるかが怖くて、
ずっと黙って、ひとりで抱えていました。

本当は誰かに話したかった。
「つらい」って、ただ言いたかった。
でも、怖かった。
わかってもらえなかったら、もっと孤独になる気がして。

伝えるまでに感じていた“怖さ”

うつ病という診断を受けてからも、私はしばらく誰にも話せずにいました。

それはただの「恥ずかしさ」や「気まずさ」じゃなくて、
心の奥底からにじみ出る、根深い“怖さ”でした。

「この程度で病気なの?」って言われたらどうしよう。
「それくらい、みんな我慢してるよ」と片付けられたら?
「気持ちの問題でしょ」と軽くあしらわれたら?

そんなことを考えては、黙り込む日々。

特に怖かったのは、母に伝えることでした。
私が子どもの頃から、どこか感情をぶつけてくる人で、
私の弱さやつらさを受け止めてもらえたことが、あまりなかったからです。

「しんどい」「助けて」と言えなかった過去が、
今回もうまく言葉をつなげるのを邪魔していました。

それでも心のどこかでは、
「わかってほしい」
「受け入れてほしい」
という気持ちが残っていました。

だから私は、伝える方法を少しずつ考えはじめました。
直接言うのか、LINEで伝えるのか、タイミングはいつがいいのか。
自分なりに、一番ダメージが少なそうな言い方と場面を探していたんです。


実際にどう伝えたか

私が「うつ病と診断された」と家族に伝えたのは、診断から数日が経って休職することが決まった頃でした。

最初に話したのは、内科に通うきっかけとなった母でした。
でも、口頭で伝える勇気はどうしても出なかった。
喉が詰まるような感覚と、「うまく言えなかったら」「変な空気になったら」という不安が、言葉を飲み込ませたんです。

だから私は、LINEで伝えることにしました。
文章なら、考える時間もあるし、相手の反応を直接見なくて済む。
今の自分には、それが一番“安全”な方法だと思えたんです。

送った内容は、できるだけシンプルにしました。


「心療内科を受診して、うつ病と診断されました。
しばらく仕事を休んで、回復に専念するよう言われています。
少しずつ、自分のペースで立て直していけたらと思っています。」


指が震えて、何度も打ち直して、やっとの思いで送信を押しました。
メッセージを送ったあとは、スマホを見るのが怖くて電源を切ったほどです。

私にとって、「伝える」という行為は、
ただの報告ではなく、“自己開示”そのものでした。

今まで見せたことのない弱さ。
誰にも言えなかった心の中。
その一部を、やっとの思いで言葉にしたのです。

家族の反応と、その時の気持ち

LINEを送って数時間後、母から返事が来ました。
短くて、淡々とした文章でした。


「そうだったんだ。無理しないで、ゆっくり休んでね。」


正直、「これでいいの?」と思ったのが第一印象でした。
泣かれるか、怒られるか、否定されるか――
そんな最悪のパターンを想定していたぶん、
あまりにあっさりとした返事に、拍子抜けしたというか…
どこか、空虚な気持ちになったのを覚えています。

でも、あとから冷静になって思い返すと、
母なりの精一杯だったのかもしれない、とも思いました。
感情を言葉にするのが苦手な人だったし、
私が傷つかないように、余計なことを言わないようにしてくれたのかもしれない。

他の家族からも、「大丈夫?」「なにかあったら言ってね」など、
思っていたよりも否定的な反応はありませんでした。
もちろん、私の気持ちを100%理解してくれたわけではない。
でも、“うつ病を理由に縁を切られる”みたいな、最悪の未来は来なかった

それだけでも、少し救われた気がしました。

言葉にしてよかったこと

うつ病と診断されたことを家族に伝えて、
すべてが分かり合えたわけではありませんでした。

ときには、無神経な言葉に傷ついたこともあったし、
「もう治ったの?」と軽く聞かれて、心がざわついたこともありました。

でも、それでも私は「伝えてよかった」と思っています。

なにより、自分の存在を少しずつ肯定できるようになったからです。
“うつ病である自分”を隠していたときの私は、
常にどこかでビクビクして、バレないように演じていました。

「普通の自分」を装うために、余計に疲れていた。
でも伝えたことで、その仮面を少しだけ外すことができたんです。

たとえ家族にすべてが伝わらなくても、
少なくとも私は、自分自身を隠さなくなった。
それが、回復への第一歩になったように感じています。

今も、うまく話せない日があります。
誤解されることもあるし、理解されないと落ち込むこともある。
でも、「言葉にしてもいいんだ」って思えるようになったのは、
あの日、勇気を出して伝えた自分がいたから。

この記事が、誰かが“伝えるきっかけ”になるなら嬉しいです。
そして、伝えなくてもいい。まだ言葉にできなくてもいい。
自分のタイミングで、自分のやり方で――
それがいちばん大切だと思っています。

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